◆多読習慣◆
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作成日:2026/10/14
【『ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ』】



三枝 匡著

三枝匡氏が株式会社ミスミ(現・ミスミグループ本社)の社長およびCEOとして取り組んだ約12年間にわたる企業変革の実録を、自らを主人公とする「実名小説」形式で描いた経営書

『戦略プロフェッショナル』『経営パワーの危機』『V字回復の経営』に続く「戦略プロフェッショナル・シリーズ」の第4弾であり、これまでの三部作が中規模組織や事業再生を題材としていたのに対し、
本書ではより大規模かつグローバルな企業変革がテーマとなっている
 
■物語の全体像
三枝氏が社長に就任した当時のミスミは、金型部品の通信販売を主力とする社員約340人の商社であった。そこから生産機能の内製化、海外進出、M&A、組織改革などを連鎖的に推し進めることにより、売上・社員数ともに約10倍となるグローバル1万人企業へと変貌を遂げるまでの軌跡が、克明に描かれている

■中心的な改革テーマ
本書で描かれる改革は多岐にわたるが、特に重要なテーマは以下のとおり

・商社から「製造業」への脱皮:駿河精機のM&Aによる生産機能の獲得と、両社の文化融合
・グローバル展開:中国・アジア・欧米への進出と、現地オペレーションの立ち上げ
・オペレーション改革:顧客対応を担うコールセンターの改革や、物流・生産現場の抜本的改善
・人材と組織の変革:次世代経営者の育成、組織構造の再設計、改革推進チームの編成

これら複数の改革が同時並行かつ連鎖的に進行していく様が、「改革の連鎖」として本書の核をなしている
 
■特徴
単なる成功譚ではなく、著者自身が直面した戦略判断の迷い、現場の抵抗、M&A後の統合の難しさ、海外事業の失敗など、経営者としての苦悩と試行錯誤のプロセスが赤裸々に描かれている点が特徴

意思決定の裏側にある論理と感情が同時に語られることで、経営者の思考回路を追体験できる構成となっている。
 
■普遍的な学び
本書の根底には、特定企業に限定されない普遍的な経営原理・問題解決のフレームワーク・リーダーシップ論が貫かれている。具体的には、以下のような示唆が繰り返し提示される。
 
・戦略は「頭で描くだけでなく、現場に落とし込んで初めて意味を持つ」ということ
・改革は単発ではなく「連鎖」として設計すべきであるということ
・経営者には「論理」と「熱」の両方が不可欠であるということ
・真の変革には、次世代リーダーを育てる仕組みづくりが欠かせないということ

日本企業がグローバル競争下でいかに自己改造を遂げるべきかという問いに対して、実例に基づく一つの答えを提示するもの

経営者・事業責任者・経営企画担当者はもとより、変革の当事者となるすべてのビジネスパーソンにとって、戦略立案から実行までを一気通貫で学べる実践的な教科書として位置づけられる一冊
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