◆多読習慣◆
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作成日:2026/09/10
【V字回復の経営―2年で会社を変えられますか】



三枝匡(さえぐさ ただし)氏著 ミスミ代表取締役

業績低迷に苦しむ古い体質の企業を、わずか2年で劇的に立て直すプロセスを描いた「企業小説(ビジネスノベル)」形式の経営書(小松製作所の実話だとか)
 
著者の実際の事業再生コンサルティング経験に基づいており、
戦略のセオリーだけでなく、組織の泥臭い人間関係や心理的ハードルまでリアルに描かれている
 
1. 根本的な課題は「ぬるま湯体質」と「負の連鎖」
業績不振の組織では、各部門が責任を押し付け合う「セクショナリズム」が蔓延している
「自分は悪くない」「誰かが何とかしてくれる」という当事者意識の欠如(茹でガエル状態)が、
業績悪化という「負の連鎖」を生み出していると指摘

2. 改革の第一歩は「強烈な危機感の共有」
新しい戦略や仕組みを導入する前に、最も重要なのは組織全体に「このままでは会社が潰れる」という強烈な危機感を植え付けること
トップが自ら現場に赴き、厳しい現実(赤字の垂れ流しなど)を直視させることで、
初めて社員の意識が「変わらなければならない」という方向へ動き出す

3. 「タスクフォース」による現場主導の改革
既存のピラミッド組織のままでは改革は進まない
しがらみのない若手や中堅社員から優秀な人材を抜擢し、
部門横断型の「タスクフォース(特別改革チーム)」を結成すること
彼らに会社のタブーを打ち破る権限を与え、現場の真の問題点を洗い出し、
具体的な解決策を短期間で立案させる

4. 戦略と実行の「50対50の法則」
優れた事業戦略(ロジック)を描くだけでは、改革は成功しない(机上のまま)
戦略の価値は「50%」、残りの「50%」は、それを実行する組織のモチベーションや人間心理(エモーション)をどう動かすかにかかっている
この両輪が揃って初めてV字回復が実現する
 
5. シンプルな戦略に絞り込む(戦略的自由度)
不振企業は往々にして、製品ラインナップや業務プロセスが複雑化している
自社がコントロールできる範囲(戦略的自由度)を見極め、戦うべき市場を絞り込み、誰にでもわかる「シンプルな戦略」に落とし込むことが求められる

2年で会社を変えられるか?
本書の結論は「トップの強烈なリーダーシップと、正しい手順(危機感の醸成→戦略の策定→タスクフォースによる実行)を踏めば、2年でV字回復は可能である」というもの
ただし、それには血の滲むような社内との対立や意識改革を乗り越える覚悟が必要であると説いている
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