土屋哲雄著
4000億円の空白市場を切り拓いた秘密
→ブルーオーシャン戦略
作業服専門店だったワークマンが「ワークマンプラス」や「ワークマン女子」を大ヒットさせ、10期連続最高益を叩き出した裏側にある「非常識な経営戦略」をまとめた一冊
最大のポイントは、「無駄なことや社員のストレスになることを徹底的にやめ、凡人でも成果を出せる仕組み(再現性)を作った」こと
1. 経営の核となる「3つのしない」
ワークマンの躍進を支えているのは、徹底した「やらないこと」の決断
大きく以下の3つに分けられる
@ 社員のストレスになることは「しない」
・残業ゼロ、ノルマなし、期限なし: 短期的な売り上げ目標や個人のノルマは設けない
・「頑張る」ことの禁止: 飛び抜けて優秀な人や、異常な努力・根性でしか達成できない仕事のやり方は「他人に引き継げない(再現性がない)」ため、会社として禁止
A ワークマンらしくないことは「しない」
・他社と競争しない: 競合がひしめくレッドオーシャンには参入しない
・値引きをしない: セールを行わず、常に低価格(定価)で販売(定価販売率98.5%)。
・デザインを毎年変えない: アパレルの常識に反し、一度作った製品の基本設計は5年間変えない。これにより在庫リスクが減り、製造コストも大幅に抑えられる
・顧客管理や積極的な接客をしない: 加盟店(フランチャイズ)の負担を減らすため、過剰なサービスは省く
B 価値を生まない無駄なことは「しない」
・社内行事をしない: 無駄な飲み会やイベントは排除。
・会議を極力しない: 経営幹部も出社を最小限にし、思いつきで現場に口出し(マイクロマネジメント)することを防ぐ
2. 「しない」からこそ生まれた2つの強力な武器
「しない」ことで浮いた時間とリソースは、以下の画期的なシステムと戦略に全振りされている
@ 全社員による「エクセル経営」
気合や勘(トップダウン)ではなく、完全なデータ重視(ボトムアップ)の経営を行っている。全社員にエクセルのデータ分析を徹底的に学ばせ、「データに基づいて現場の社員が自分で仮説を立てて行動する」仕組みを作った。これが「凡人でも成果を出せる」最大の理由
A 4000億円の「空白市場(ブルーオーシャン)」の発見
データ分析の結果から、「高機能なのに低価格」という、アウトドアブランド(高価格)とファストファッション(低機能)の間にぽっかり空いた巨大な市場を発見。これが「ワークマンプラス」誕生のきっかけ。
3. 目標はたった1つ「客層拡大」
一般的な企業は「売上アップ」「利益率向上」など複数の目標を掲げるが、ワークマンは「客層拡大」という1つの目標だけにフォーカス。
プロの職人だけでなく、一般のキャンパーやバイク乗り、さらには女性や妊婦さんなど「本来のターゲットではなかった人たち」がワークマンの商品をどう使っているかに着目し、アンバサダー(熱狂的なファン)の意見を丸呑みして製品開発に活かしている
まとめ
『ワークマン式「しない経営」』の最大の教訓は、「個人の努力やカリスマ性に依存せず、勝てる市場を選び、誰もが無理なく回せる仕組みを作ることの強さ」
「引き算の経営」によって持続可能な成長と社員の幸福を両立させた



















