難波三郎氏著
飲食店専門中小企業診断士
昨今の激しい物価高騰(食材費・光熱費・人件費の上昇)に苦しむ個人店や小規模な飲食店のオーナーに向けて、「客離れを起こさずに単価を上げ、黒字化を達成するための実践的なノウハウ」を解説した一冊
1. 本書のコアメッセージ(結論)
「値上げを実行する前に、まずは『お店の価値』を高めなければならない」
単に「仕入れ値が上がったから」というお店側の都合で価格だけを引き上げると、お客様は確実に離れていきます(例:880円の定食を、内容を変えずに1000円にして閉店に追い込まれたケースなど)。
値上げを成功させるには、お客様が「この価格でもまた来たい」と思える理由(価値)を先につくることが鉄則
2. 内容の3つの要点
@ 現状の把握と「かくれ赤字」からの脱却
・多くのお店が値上げや客離れを恐れるあまり、オーナー自身の給与を削って耐え凌ぐ「かくれ赤字」に陥っている
・どんぶり勘定をやめ、お店の健康状態を測る指標である「FLR比率」(Food=食材費、Labor=人件費、Rent=家賃)の数字を正しく理解し、コントロールすることが黒字化の第一歩
A 値上げの前に「お店の魅力(QSCA)」を徹底的に磨く
・値上げの前段階として、ミステリーショッパー(覆面調査員)がチェックするような顧客視点を取り入れることを推奨
・具体的には、QSCA(Quality=料理の品質、Service=接客、Cleanliness=清潔さ、Atmosphere=雰囲気)を改善し、「お金や人手をかけずにできる範囲」で顧客満足度を最大限まで引き上げする
B 賢い値上げ戦略とムダの削減
・価値を高めた上で、「少しずつ、賢く」値上げに踏み切る
・大手チェーン店の戦略も参考にしつつ、客単価を自然に上げる「期間限定メニュー」の活用や、シフト管理を見直して「人件費のムダ」を削る現実的なアクションプランが紹介されている
3. まとめ
政府や金融機関から「利益を出せる経営」をシビアに求められるインフレ時代において、
「価値の向上」
→「賢い値上げ」
→「利益体質(黒字化)」
という正しい順番を守ることが重要
精神論ではなく、財務の基礎からメニュー戦略まで、明日からすぐにお店で使える実践的なアイデアが詰まった指南書



















