◆多読習慣◆
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作成日:2026/04/01
【リーダーを目指す人の心得】



コリン・パウエル著『リーダーを目指す人の心得(原題:It Worked for Me: In Life and Leadership)』は、米国史上初のアフリカ系アメリカ人として統合参謀本部議長や国務長官を務めた同氏が、自身の経験をもとにリーダーシップの本質を説いた一冊である。

本書の核心は、「リーダーシップとは、役職や権力による支配ではなく、他者との強固な信頼関係によって成り立つ」という哲学にある。

パウエルの教えは極めて実践的であり、その要点は以下の4つのテーマに集約される。

1. 現場と部下への絶対的な「信頼と敬意」

優れたリーダーの条件は、部下から信頼され、尊敬されることである。
そのためには、まずリーダー自身が部下を深く知り、彼らを一人の人間として尊重しなければならない。
権力で服従させるのではなく、部下の能力を最大限に引き出し、同じ目的に向かって自発的に進むよう奮い立たせることが重要である。
また、「手柄はチーム全体で分かち合い、失敗の責任はリーダーが引き受ける」という基本姿勢が、組織の根幹となる信頼を築く。

2. 決断力と自己責任の覚悟

意思決定こそが、リーダーの最大の責務である。
日頃から情報収集を怠らず、現場の小さなこと(ディテール)をチェックする姿勢は欠かせない。
しかし、完璧な情報が揃うまで決断を先延ばしにするのは避けるべきである。
優れた決断を、些細な障害や他人の悲観論によって曇らせてはならない。
そして、ひとたび自ら道を選択したならば、その結果を他人のせいにせず、すべて自分が引き受ける覚悟を持つことが求められる。

3. 感情とエゴの徹底したコントロール

リーダーたるもの、困難な状況下においても常に冷静沈着であり、健全な感情を保つ必要がある。
「まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ」と説くように、怒りを感じること自体は自然であるが、瞬時にそれを乗り越え、自制心を失わないことが肝要である。

また、「自分の人格と意見を混同してはならない」という教えは重要である。
自分の意見が否定された際に、自分の存在価値まで否定されたと錯覚すると、冷静な判断力を失う原因となるため、エゴと職務は切り離して考えるべきである。

4. 究極の推進力としての「楽観主義」

パウエルの哲学を貫く最大の要素は、強靭な「楽観主義(オプティミズム)」である。
どんなに困難な状況であっても、「なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ」と信じ、前を向く姿勢を崩さないこと。
「楽観的でありつづければ力が倍増する」という言葉の通り、リーダーのポジティブな姿勢と「やればできる」という強い信念は組織全体に伝播し、限界を突破するための最大の力となる。

【補足】コリン・パウエルの「13カ条のルール」

本書の核となる、リーダーが常に心に留めておくべき指針(自戒)である。

  1. なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。

  2. まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。

  3. 自分の人格と意見を混同してはならない。さもないと意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう。

  4. やればできる。

  5. 選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。

  6. 優れた決断を、問題によって曇らせてはならない。

  7. 他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。

  8. 小さなことをチェックすべし。

  9. 功績は分けあう。

  10. 冷静であれ。親切であれ。

  11. ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。

  12. 恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。

  13. 楽観的でありつづければ力が倍増する。

【総括】

パウエルの説くリーダー像とは、生まれ持った特別な才能やカリスマ性ではなく、自らを律し、他者を敬い、常に前向きな展望を持って決断を下す「誠実さ」の体現である。

これこそが、いかなる時代や組織においても、人が自然とついていきたくなる「真のリーダー」の姿である。

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