◆多読習慣◆
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作成日:2024/06/08
【自分らしいキャリアのつくり方】



高橋 俊介氏著。

望月先生推薦本

これまでのキャリア研究で特に汎用性の高いものを、44のキーフレーズとして選択したとのこと。

人生のその時その時の選択を迫られた際の判断指標として、大変参考になるのではないか。読了をぜひ、周りにもお勧めしたい。

以下、全44のキーフレーズを箇条書きし、特に気になった箇所をメモ書きとして記したい。

 

1 ワークライフ

@仕事ばかりしていると仕事に必要な能力が身につかない

A仕事と私生活はバランスではなく統合が重要(参考p98)

B人生で大切なことは二つ以上ある(参考p90)

C日本の男は自分の求められている役割を誤解している

Dデメリットは事前に見えやすいが、メリットはあとからわかる

Eスローキャリアという生き方は、仕事よりも生活重視では実現できない

Fお金を大切にしてはじめて精神的豊かさが手に入る

・欠乏動機がドライブとなっている

・輸入品の安さの裏には、現地労働者の低賃金劣悪労働環境がある

・正当な収入を得る権利はきちんと主張すべき

G嫌いなものリストを減らす努力が楽しいことをふやす

・三点レベルについて。人が感じる満足度を五段階に分けた際、可もなく不可もなくを真ん中の三点とすると、好き嫌いの多い人はこのレベルが相対的に高い。レベルが低いと、それなりに満足することができるので、積極的にチャレンジでき、より大きな満足に出会うチャンスになる確率が高くなる。(三点レベルインフレ回避)

・やりたいことを絞るのではなくやりたくないことを減らし、色々と経験しながらやりたいことはこれだったのかと気が付くのが理想的キャリアの築き方。

2 能力開発

H追い込まれないと開発されない基礎能力もある

I魚は対面販売で買え

・「計画と実行の分離」魚料理の場合は、分離しにくい。

・用意の対義語「卒意」臨機応変対応力のこと。

・「座持ち」芸妓に欠かせない能力。座待ち能力が高いと客の満足度が上がって、リピート率が高くなる。

J遊ぶ能力が低いと仕事も楽しめない

・言われたことを漫然とこなすのではなく、どうすればもっと楽しく働くことができるかを考え工夫すること。主体性を自分に取り戻す。

K自分がされてイヤなことは他人にしてはいけないでは不十分

L意思決定を無理に論理的にしようとすると裏目に出ることが多い

M他人に教えることができてはじめて習得したといえる

Nいま何を知っているかよりも、新しいことを学ぶ能力が大切

・知識や情報はあっという間に陳腐化する。

 

・キャリアコンピタンシ―(コンピテンシー)を高め、変化に強い人間になる。


3 キャリア形成

O新しい環境には適応すれど同化せず

Pキャリアは目標ではなく習慣でつくられる

・目標を持つこと。事例:アスリート、記録の伸びが違う。その人の内なる動機を引き出す要因となるから。

Qキャリアの舵取りはキャリアフェーズのネ—ミングで行う

・ワークとライフのバランス。一生を通じて見たらバランスがとれていればよい。

25フリーランス。長い時間軸を意識してマネジメントしていかないと、自分の中のリソースが枯渇していた、という状態になりかねない。

R辺境の仕事・辺境の組織がキャリアを強くする

・会社には、将来の投資のために目的で取り組んでいる仕事がある。その規模がまだ小さい状態から希望して取組させてもらうこと。全体像を把握しやすい。自分の発想を活かすことも容易。経営目線、顧客目線で仕事ができる。

S好きなことと向いていることは違う

・色々な人と出会い、付き合うことが大事。

・大手タクシー会社での運転手の資質の変化。安全運転を心掛け、配車指示に忠実に従ってくれる人が求められる人材像。

・企業ブランディング重視することで、仕事の適正も変化している。

・就職する前から自分の好きなことややりたい仕事に拘るのはあまり賢明なこととはいえない。

・変化の激しい時代のキャリアは一生変化し続けるもの

㉑仕事選びや会社選びと同じくらい場所選びは重要(参考p21)

・どうしたらクリエイティブ人材をその地域に呼べるかを考える。事例:沖縄県、多様性に富んだ場所。

・明治維新の話。欧米列強と伍していくために、富国強兵、国民皆兵、組織に忠誠を尽くす。組織ロイヤリティを義務教育を通じて全国民に浸透させた。武士の価値観。⇒戦時中はナショナリズムとして機能した。

・自分らしいキャリアを築くためにどこを生活や労働の拠点にするかも重要な要素。

㉒二番目に得意なことをする

・得意なこと二つ。理想のキャリアを築くことができる。容易に差別化が図れる。オンリーワンのキャリアが築ける。

・事例:ソフトウェア開発+財務、海外経験グローバル視点=金融系ソフトウェア開発、外国のクライアント交渉。差別化を図る。キャリアが広がりやすい。

専門性が一つだけ。常にそこからしか物事が見られなくなってしまう。

「一意専心」ではなく、価値創造することに限界を感じている人は二つ以上の組み合わせを考えてみるべき。

いまの仕事と関係なくても、テーマを追いつづけることでいつかそれが仕事になる

・高橋俊介氏自身、途中で興味を持ったことが仕事となっているとのこと。

・最初からだとしたら、非常に見方が狭く、狭い見方から抜けられない。

・自分の興味を持っていること、細々でいいからやめずに勉強、情報収集を続けた方が良い。

・仕事でも、自分のテーマが活かせないか、常に検証することを忘れない。

 

4 ジョブデザイン

㉔仕事には枠をつくるのではなく、のりしろをつくる

・のりしろのような重なりあう部分を意図的につくり、手が空いた時は積極的に手伝い、良い人間関係をつくっておくことが大切。

・ライトとセンター。際どい打球は、両方が捕りに行くことが大事。

見えない化する社会だから見える化の努力が求められる

・意識して、自分の仕事を見える化すること。

・株式会社三技協 仙石道泰社長。仕事の内容をフローチャート作成し、イントラネット上に公開し、共有した。何人かの部長、書こうにも書けなかった。昔のやり方に頼って、新しい技術を学んでいなかった。若手や外国人の仕事を覚えるスピードが格段に速くなる効果が有。自宅にいて休職していても、会社や仕事がどうなっているか簡単に把握できる。

・見える化。個人のキャリアを発展させる効果

・文章化しておく、成長の軌跡を確認することができる。

発表し仲間と共有。成長速度が増す。

目標を達成することがよいとはかぎらない

価値観に対する合理性。人を育てる際には重要。価値合理性を高めること。

高橋俊介氏 「この企業を顧客にしたいという目標を持て」企業分析、経営課題、解決のための戦略、プレゼンさせてもらえ。今回ダメだとしても、別の企業に対するチャンスがあるかも。他の収益の機会を広げるのにつながっている。

㉗結婚はだれとするかより、したあとが重要

・お互いが主体的にすること。 

・自分の動機を活かす働き方ができればいい。

やり方のマッチング。人の動機は様々。

達成動機

影響動機

理解動機

伝達動機

感謝動機

㉘自分の仕事をプロフェッショナル化する。

スペシャリスト:専門的スキル。

ジェネラリスト:一般的なマネジメントスキル。

エキスパート:暗黙知。経験や熟練。

・そもそも、何をするかというWHATから発想。

・厳しく自己管理。自分の顧客が誰で、どのような価値提供をするのかを、常に意識して働く。

・事例:会社管理部門。人事部の顧客はだれか?

経営トップから後継者を選抜し育成するための仕組み ⇒経営トップ

リーダーシップ研修の開発実行 ⇒ プログラムの参加者

いつも同じ顧客とは限らない

㉙知らないからとれるリスクもある

・リスクがあるとわかっていても、若いうちはあえてそれをとりにいくべき。

キャリアが根底から覆されるような事態に、いつ見舞われるかわからない。

・外の世界に目を向けないで、内側だけを見ていると、確実に目線が低くなる。

リクルート社社訓 「自ら機会を創出し、機会によって自らを変えよ」

・夫婦共働きを前提とした、家庭をつくっておく。

・固定費を減らして、家計の損益分岐点を低く保つ。

・会社以外の様々な人たちとネットワークを築き、いざという時に助け合いできるように。

・お金をかけずに楽しめる遊びをマスターしておく

・リスクマネジメント能力の研鑽。急にはできない。若いうちに意識して獲得しておく。将来のリスクヘッジ。


5 ネットワーク形成

㉚情けはあるが義理はない沖縄に学ぶ開放的ネットワーキング(参考p141149151)

・信頼関係、ネットワークができていなければ、その能力は大きな成果に繋がらない。

・人と人との関係性は、非常に重要な資本であると、みなすことができる。

社会心理学。社会関係資本。互酬性と信頼関係の在り方。

強い絆のネットワーク⇔弱い絆(橋渡し型)のネットワーク

・事例:沖縄 ゆいまーる 相互扶助精神。

・投資をせずに利益だけを得ようとしてはだめ。何らかの貢献をして、はじめてその社会の恩恵を受けることができる。

・弱い絆で結ばれた開放的ネットワークの互酬性。

・「利他的行動」同じ病に悩む人たちを助けることで自分も癒される

㉛転職するたびに人脈をふやす人と失う人がいる

・普段から意識して、人間関係をつくっているかどうか。

・会社にとっても 社員が辞めたらすぐに関係を断つのではなく、良好な人間関係を持ち続ける努力をすること(p136社会関係資本)

マッキンゼー社 退職者を大変大事にする会社。会社が退職理由を正確に把握していることも、その後の関係を続けるためには大切なこと。
・日本企業。ロイヤリティの強い内向きな強いきずなの組織。特定化された互酬性を前提に、マネジメントが行われている。

・育成した社員が辞めてしまうと、マクロ的な意味で教育投資が回収できない。裏切られたという気持ちになり人材育成モチベーションが崩壊してしまう。

・中国の学生の価値観。研修豊富、昇進が早く、キャリアアップのための勉強や自己啓発の時間を奪う残業がないのがいい企業。

㉜人にどう思われたいかを意識することがセルフブランディング

・仕事で、特に必要とされている能力が8つあるとしたら、その中で、自分が五点中五点の価値を提供できるのはこれとこれ、二つきめて、それが常に実現できるように努力する。⇒仕事が自然と向こうからやってくるようになる。

基本的に動機の強いもの、切迫性の強いう人は仕事が早い。

徹底性が強い⇒仕事が丁寧

伝達動機が強い⇒プレゼンが分かりやすい

理解動機⇒人の観察力が優れている

・他の能力も、最低三点は死守しておく。

すべてが三点だと、可もなく不可もなく、ブランドイメージが生まれない。

部下は上司の人間観の鏡である

・「そんな仕事はパートにやらせろ」パートを社員より下に見て差別している。

・アメリカ キャリア研究者 ダグラス・マクレガー XY理論。

・Y理論:人間にはもともと自発的に働くドライブが備わっている。環境さえ整えてやれば自分から一生懸命に努力する。つまり上司の人間観が、そのまま部下に反映される。

様々な側面から人間を見て、それを言葉にしてみること、そういう言葉のキャッチボールを周囲の人たちとするのを習慣化する。問題の背景を過度に一般化せずに、負のスパイラルに陥る愚を避けることができる。

予期せぬチャンスは親しくない人からやってくる

・予期せぬチャンスは、多様で開放的な弱い絆のネットワークからもたらされる。(参考p136)

・日頃から、自分の問題意識や得意技を、いろいろな人にさりげなくアピールしておくことも、緩やかな人間関係の輪を広げるのに効果がある。

・親しくなくても、気になったり、話を聞きたいと思ったら、積極的に会いに行く習慣。

㉟信頼という能力は面と向かわないと育まれない

・こちらも、弱い絆で結ばれたネットワークの話。

・対人間関係構築能力。発言したことと行動との間に、一貫性を、その時の状況や利益の度に、発言をコロコロ変えたり、うそをついたりしては、信頼など得られない。

・信頼されたり、人を見抜く能力は、不特定多数の人とフェイス-トウ-フェイスのコミュニケーションを重ねることによって、少しずつ身につけていくしかない。

・コミュニケーションの中で、人間関係構築などの抽象度の高いものは、文字情報では伝わるのは半分以下で、

声のトーンや表情、身振り手振りで半分以上が伝わることが(何らかの?w)実験から証明されている。

・多様な意見を持った人と、冷静にディスカッションする訓練を受けていない人がネット上で論争すると、異なる意見を徹底的に排斥したり、駆逐したりする。極端な行動に出がちになる。

インターネット社会でもリアル社会でも、弱い絆のネットワークの一員となるには、一般化された信頼と互酬性を理解し、その能力を高めることが不可欠。

6 組織のなかでの成長

㊱日本一長い朝礼で感情脳を緞える

教えるほうが教わるほうより偉いわけではない

・年功序列には、賃金、役割と昇進、育成の三つの側面がある。

社会の変化が緩やかだった時代のプラミッド型組織を前提とした発想。現在は、年下の上司が当たり前の時代、支援型リーダーシップの活用が不可欠。

・変化の激しい時代には、すべての点で若者より優れていることなど有り得ない。

㊳人を育てる意識より人が育つ環境

・引退後の元サッカー選手の事例。サッカー以外の世界を知らない人がほとんどで、例外なくキャリアショックに見舞われるとのこと。

・セカンドキャリアを主体的に生きられるようになるための環境づくり。人が育つ、いい循環が必要。

・有名ホテルのパン職人の話。技術は実際は数年あれば技術は身につけることができる。しかし、それをやってしまうと、低賃金で我慢して働いてくれる人がいなくなって、年功序列が崩れてしまう。

経営の都合で、いたずらに育成に時間をかけるのではく、料理人が育ちやすい環境をつくる必要がある。(「菊乃井」三代目主人村田吉弘氏)

部下は上司だけによって育てられるものではない

㊵自分に向いている仕事が何かは自分ではわからない

・「クライアントに何が欲しいかを聞いてはいけない。なぜなら、クライアントは見たこともないものは欲しがれない。見たこともないものを提供するのが自分たちの仕事だからだ」筆者がマッキンゼー社に入社した当時のある先輩からのアドバイス。

・管理職研修について。「わかっていない」といって切り捨てるのは簡単。大事なのは、自分で考えて行動を起こし、試行錯誤する機会を与えること。

7 組織の見極め方

㊶就職は仕事選び以上に組織選び

アメリカ サウスウエスト航空の事例。職種適正よりも会社適正が大事。仕事が自分に合わないと思えば、別の職場に異動することができる。「一日体験デー」として、実体験できる機会をつくり、積極的に支援している。

㊷グローバル化の障害は日本人か日本企業か

人を大切にするのではなく、どう大切にするかが重要

・人は資産ではなく、資本であるとの考え方が重要になってくる。(人的資本。これからの経営課題)

・人とは、知恵や労働力で会社の資産を増やす元手である。資本金という元手を提供してくれる株主と何ら変わりない。

㊹人事に哲学があるかではなく、会社や事業に哲学があるかが重要である。

リーダーに必要なのは、思考・行動特性、試練を乗り越える過程で身につける。

・無駄のない合理的キャリアは存在しない。

・最初の段階では仕事そのものにのめり込む。

・給与は仕事の満足度と正の相関関係がある。

社交動機、理解動機、達成動機、影響動機、伝達動機、感謝動機

・自律的に学ぶ能力を持つ人のほうがキャリア生産性が高い。

・キャリアにフェーズごとに名前をつける。

・天職、動機が能力として発揮でき、意味ややりがいを感じられる仕事。

・ライフテーマを追い続ける、人生のテーマを活かせないかを考える。

・付いた仕事で自分の動機を活かす働き方をする。

・自分の仕事の顧客と提供価値を定義。

・環境:チャレンジ度、上司の支援、成果意識、学習の見える化、事例共有、横のつながり。

 

 【おわりに】

悪い姿勢5

1受け身(他責)

2精神論(反省しない)

3やりっぱなし(検証しない)

4歪んだ持論(学びレベル低)

5頑固(変わろうとしない)

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