◆多読習慣◆
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作成日:2024/04/20
【数値化の鬼 - 仕事ができる人に共通する、たった1つの思考法】



安藤広大氏(著)。上場企業・株式会社識学の社長さん。
読みやすく、それでいて情報量の濃い、良書でした。

一言でいうと、
PDCAのD(行動量)が大事。
そのための、KPI設定。
KPIは常に変化する。
そのための対応を、日々、どうこなしていくのか。

部下持ちプレイングマネジャー、リーダー層よりは、 結果を出したいプレーヤー向けメソッド。
・いかなるときも、いったん「数字」で考える。
・数字はお互いの「誤解」をなくしてくれる。
・数字は「感情」を切り離してくれる。
・数字はとことん「客観的」にしてくれる。
・「数値化された評価を受け入れる」
・「自分の不足を数字として受け入れる」
・数字で言い換える、数字で表現する。

■第1章 「行動量」を増やす
⇒自分の行動の数を正確に数えること
・行動量とは?全ての仕事の母数になってくる
・あらゆる仕事は、「行動量×確率=成果」
・まずはこの行動量を上げることが出来なければ、成果が高まってこない。
・仕事においての練習とは?確率を上げていくための練習とは?
・行動量、まずは量をこなせる人間にならないと仕事の成果上がっていかない。

「定性的」言葉だけの目標(上司の曖昧な評価。本書では否定的)
「定量的」数値化された目標

「仕事ができる人」の定義:評価者からの評価を得られる人。上司と部下との間で認識のズレのない評価を得られる人。

・ビジネスは「結果」ファーストで。
・数値化とは「PDCA」で回すことである。
・日々、数値化をしておく。「今年は何か変化が起こっている」という違和感にいち早く気づくことができる。
・「数をこなす」こそ基本。誰よりも数をこなす。
・「D」=「行動量」を増やす。
・KPI設定例。目標 「英語を話せること」⇒英単語を一日10個ずつ覚える。英会話学校に週二回通う。
・「目標のための目標」=「KPI
・日々の行動に迷いがないレベルにまで「KPIに分解できていること」
・保険営業の人できる人ほどプレーヤー時代の手帳は真っ黒。アポの回数を増やすことをKPIにまで分解できているか。
・先にメロディと一緒に歌詞を覚えてしまって、後から「どういう意味なんだろう?」と考える順番と同じ。
・疑問に思うことを一つ一つ確かめている人より、与えられたことを素直にやる人の方が、上達する。
・まずは体に覚えさせてしまう。
・成長したあとにそれを疑ってみる。
・やりながらうまくいかない理由を考える。
・「D」の設定。KPI設定。「企画書を月4つ提出する」、「毎週末に新しい企画書を1つ仕上げる」ただし、「手段」と「目的」が入れ替わってしまう危険性に要注意。
・「月4つ提出している」、「企画書を遅れず出している」⇒「企画書を1箇月以内に1つ通す」、「試作段階にまで話を進める」へ。
・優秀なマネジャーは、「複雑な連立方程式」を、一つずつの式に分解する。

Bという商品も安く仕入れる」

「客単価を上げる」

「顧客数を増やす」

「その結果、利益を増やせ」
行動すべきことを分解して、何が「P」で何が「D」なのかを伝えられると、部下は動ける。
・会社から与えられた「評価項目」を瞬時に思い出せるか?⇒地図を持たずに目的地に向かってウロウロしている状態。評価項目数が多かったり、概念が曖昧だったりするから。
・「識学流」は5つ以内。3つのメリット

1.上司と部下の間で認識のズレが生じない。

2.多面評価の必要がなくなり、確定時間をカットできる。期が終わった瞬間に評価を確定させることができる。

3.社員全員が目標を記憶できること。

・数値化による評価で、自分のことしかしなくなる事態対策。顧客フォロー状態や助けた状態を定義する。

「案件継続率」

「他部署へのトスアップを「何件」したか」

「回数カウント。社内プロジェクト参加回数とか」

事例:介護業。

「全員に毎回一度は話しかける」

「クレーム処理に100%取り組む」

・識学でのやり方。

○プレーヤー:個人とチームの比重 8020に設定。個人で110%達成をしても、チームで目標の半分だった場合、80*1.1+20*0.598
○管理職、マネジャー:自分のチームだけの成績で評価されるようにする。個人とチームの比重 0100に設定。 部下が稼いできてくれて、自分はドンドン暇になる。

■第2章 「確率」のワナに気をつける

⇒割り算による安心感のワナに気をつける
・「行動量×確率=成果」人間どうしても行動量を上げることを怠って、その確率を上げるというところに視点が行く。
・確率を上げること自体は否定していないが、仕事がうまくなるということは、確率を上げていく、確率だけにこだわり、結果その確率を上げるために行動の分母を減らしてしまう。
・要は、確率が高い状態で、仕事を今月はもうやめてもいいや、と思うようなことになってしまう。
・あくまでも行動量ありき、の「確率」という視点をおかなければいけない。
・当社の社員の50%は、「東大卒」です。
⇒二人しかいないのに、もう一人がたまたま東大卒。確率の持つ罠。


【働かないおじさん問題・成長を諦めた人の既得権益】

・メンバー全員が成長する方向に頑張っていかないと、現状維持では沈む時代。 

行動量ファーストで。

働かないおじさんへの第1歩を防ぐために、「この%は、何分の何ですか?」を確認する。%ではなく、母数を確認。

連続性を評価する。積み重ね、マイナス評価を取り入れる。
・262の法則を乗り越える⇒1000 に近づけていく。

■第3章 「変数」を見つける
⇒仕事の中で何に集中するかを考える

・仕事の成果に影響を与える「KPI」≒影響与えない「KPI」が存在している。
・影響の与える方「KPI」のこと=「変数」とする。
・変数とは?変えられるもの、変えられるもの、かつ、その成果に直結するものをしっかり捉えてそれを動かしていく。

・ある商品、パッと見てメリットがわからない、難しいイメージだという反応があった。ネーミングを変えてみたら、売れていった。商品名が「変数」だった。
・「変えられること」変えようと努力する、「変えられないこと」早々に見切りをつける。
・「変数」を見つけるための考え方の「型」 

見極めに必要なのが「変数」。どこにxが隠れているのか? 

y=ax+b 

x=変数 

y=常に値が変わる

a、b=定数、与えられた数字

・仕事の中身を細かく砕く。
・「変数」を見つけるために、やることを時系列で整理する。
・なぜ?を繰り返して変数を明らかにする。
・工程を分けて、数字を数えて、なぜ?を繰り返す。
・目標を結果以外は管理されないように、シフトしていく必要がある。
・がらんじめ、にすることは、社員、部下が成長しない原因。
自分でやって、自分で解決する、からこそ、勝手にモチベーションが上がる

なぜ

どうやって

仮説

⇒「変数」にする
⇒さらにもっと大きな変数を見つける。

■第4章 「真の変数」に絞る
⇒無駄な変数を削り、さらに重要な変数に絞り込む

・変数の中にも優先順位がある。
・変数の中の変数。
・人間その瞬間、集中できるものは限られてくるので、できる限り「真の変数」という風に、一番仕事の成果に影響を与えるところに集中して、その変数を動かしに行く。
・その変数の数を上げにいくことが大切である。

・変数は常に変化し続ける。同じ手が通用しなくなる瞬間、やり方を変えられるか、変えられないか。
・変数は放置していると増加するので、常に、変数を捨てる考え方をする。
・ある有名投資家の話。やりたい事を10個書く、上位3つを今すぐやるべきこととし、残りは捨てる。
・過去の成功法則も、環境や時代が変わると通用しなくなる。
・他に方法はないだろうか?もっと、効率的にできないだろうか?
・自分がやってきたことを疑う。
・KPIの見直し、現状維持を許さず、常に成長させる機会を与える。
・「心理的安全性」≒仕事の基準が高くないと、生ぬるい組織になる。新しく出てくる概念はあくまでトレンド、流行 なので、それに振り回されず本質的な考えを持つこと。
・コンピテンシー評価項目について。

変数が多すぎる⇒管理コスト増、マネジメント難易度高につながる。

部下のどの能力を上げればいいのか曖昧にある。

・とりあえず、まずは「真の変数」を一つ決める。取っ掛かり。変数の中の変数。
・間違った努力をしているところは、それは変数ではないことを認知させる。
・「P(目標)」、と、KPIにつながりがあることを認知させる。
・目標の数字に反映されないの場合は、変数が定数になったことを捉える。
・人によるばらつき、ガチャ(上司、担当業務)を防ぐ。 

どんなホウレンソウをしているか?

どんなマニュアルを共有しているか? 

事実だけを共有して、条件を揃えるようにする。 

会社全体で、マンモスを狩りにいく意識が大事。 

・コントロールできるもの、できないものについては、認めて、考えない.。 

アドラー心理学「課題の分離」:他者を変えようと努力するのではなく、自分の考えを変えるしかない。


■第5章 時間「長期間」から逆算する

⇒短期的と長期的、二軸で物事を見る。
・時間という数字
・人間どうしても、短期的利益を求めた行動をとってしまう。
・しかし時間は流れているので、 この瞬間の利益を取りに行っていては、長い間、成果を上げる人間にならない。
・「長期間の視点」。長い期間で、自分にとってプラスになるような選択をしていかなければいけない。

・「長期的に見て未来のトクを選ぶ」

 短期的な損より、長期的なトク 

学生時代のアルバイト。同じ時給単価であれば、忙しく働く経験を早めに積める方が、将来の社会人としての成長の糧となる。 

・一人のプレーヤーが勝ち続けないのが健全な組織の特徴。

長期的にみると数字は一定ではない。長期的に活躍するには、長期的な視点が必要。
・時間軸とセットで、シミュレーションをする。短期的な決断でも常に、5年後10年後をセットで考える。
・衰退の兆し。早めに見つけて次の手を打つべき数字の変化を見つける。 

・人間の脳は、短期的な利益を優先させる。

行動経済学の実験

1年後に100万円をもらうか、11月後に110万円をもらうか⇒後者

いま1万円をもらうか、1月後に11000円をもらうか⇒前者

・いったん、数字に置き換える。
・大きなクライアント、小さなクライアント。
大きなクライアントとの関係維持を定数として、次なる変数(小さなクライアント)に目を向けていく。大きなクライアントとの関係維持だけでは、成長はない。

・短期から長期、長期から短期へ逆算する。
まず、短期的。
行動量が増えているか、
一日にやるべきことができているか。
日々の売上、数字の変化を見ているか。
それを数値化して把握しているか。

次に長期的。
半年、一年後に果たしているべき目標は何か。
5年後、10年後に自分はどうなっているのか。
最後に、必ず長期的視点から逆算をする。
5年後の姿と今日のKPIはつながっている。そのために、プロセスごとに仕事を分ける。 

まずは行動量ファースト

30歳までにマネジャーになる、
35歳までに支店長になる、

逆算して、毎年のノルマ達成を考える。
・長期的な視点は、マネジャーや経営者に必要なスキル。
・評価に組み込む時間軸。 

時間が経ってから、価値が出るものは、半年や一年の期間では評価できない。それすらも包括した評価制度をつくる。 

事例:総務部

今の経費削減の評価

将来の期待できる、経費削減効果
二軸で評価

・マネジャーは、部下であるプレーヤーが、迷いなく行動量を増やせる環境をつくること。
 

■終章 数値化の限界 

★「数値化の鬼」思考法。数字を達成してから考える順番。 絶対に、順番を間違えない。

・「数字の成果」⇒「自分らしさ」

・「数字の根拠」⇒「言葉の熱量」

・「まずやってみる」⇒「理由に納得する」

・「チームの利益」⇒「個人の利益」

・「行動量を増やす」⇒「確率を上げる」

・「長期的に考える」⇒「逆算して短期的に考える」

 逆はだめ。

★人間は「そこに居続けるための利益」がないと去ってしまう。

事例:しりとりゲーム
子供もは楽しいが、大人はできない。簡単すぎてつまらない。 

仕事も同じ。
★識学での、ある社員からの感謝の言葉
『自分には「何が足りていないのか」を、常に明確にしてくれました。』

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